着物に合った髪飾りを素敵な成人式や初詣に

 せっかく着物を着たら髪飾りにまで気を使える大人の女性の着こなしに憧れませんか。素敵な着こなしができると自信がわいてより美しく見せます。今回は自分だけでなく娘さんとも共用できるような着物に合った髪飾りをご紹介いたします。

 

着物に合う髪飾りの種類

 着物に似合う髪飾りと聞いて、みなさんはどのようなものを思い浮かべますか?着物の色や柄、さらに、季節に合わせて髪飾りを使い分けることができれば素敵ですよね。そこで着物に合う代表的な髪飾りの種類を3つご紹介します。

 

着物に合う髪飾り1|つまみ細工

 つまみ細工とは、小さな布をつまんで折り、花などの形を作りだす工芸品です。歴史は古く江戸時代から伝わる東京都指定の伝統工芸品でもあります。初めは宮中の女中などの間で、趣味として盛んでしたが、明治時代ごろから花かんざしや花櫛などの髪飾りとして使われるようになり、今では人気の髪飾りの一つです。

 やさしさの感じられる丸い形の「丸つまみ」と、すっきりと先のとがった「剣つまみ」の技法を使い分けることで、華やかでかわいらしい形ができあがります。。布の大きさや種類などの組み合わせを工夫することでいろいろな形を楽しめるのも魅力ですね。

 布の作り出す柔らかで華やかな雰囲気を持つ、つまみ細工は、七五三から成人式や結婚式までイベントを選ばず使えるため一つ持っていると便利でしょう。

 

着物に合う髪飾り2|水引

 水引とは和紙をこより状に細く干し固め、贈答品などを包む際の飾り紐として用いるものです。起源は古く、飛鳥時代に小野妹子が隋より持ち帰った献上品につけられていた紅白の麻ひもが源流とされています。水引には単なる包装の役割だけでなく、送り主の気持ちをのせ、さらに縁を結ぶという意味も込められていますよ。

 結び方は大きく二つで、一つは結び切り、もう一つが花結びです。結び切りは一度結ばれるとほどけないことから二度とないようにという願いがこめられ、結婚式やお見舞いなどに使われます。花結びは、出産や入学など何度繰り返してもよいお祝いやお礼の際に使われる結び方です。

 紐の本数は基本的には5本を基本にして、3,5,7と奇数で使用します。髪飾りとして使う場合はシンプルに結び切りの淡路結びをあしらったものや、結び切りを応用した松結びや輪結びなど豪華なものまで様々なバージョンがあるため、選ぶのも楽しいでしょう。

 華やかなものは結婚式や成人式などおめでたい席にピッタリですし、シンプルなものは普段使いに重宝します。

 

着物に合う髪飾り3|和紙

 和紙とは1000年以上の伝統を持つ日本独自の紙で、楮や三椏、雁皮といった日本に自生していた植物を原料に使って漉いたものを指します。洋紙に比べ原料の繊維が長く強いため、丈夫で洋紙のようにつるつるとしていないところが魅力でしょう。

 和紙と言えば書道で使用するイメージが強いですが、他にも番傘や提灯、行灯、合羽といった耐久性を求められるものにも使用可能です。和紙は日本の各地で伝統工芸品としても受け継がれています。そんな歴史を持つ和紙を使った髪飾りは、色や形を自由に変えることができるため、さまざまな種類を見ることができます。

 折り紙のように折って花などを形作ったものや、和紙を樹脂で固めて模様を楽しむなど使い道が多いのも魅力です。和紙の折り紙の髪飾りなどは日本の風情をよく表しているため海外の方へのプレゼントにしても喜ばれるでしょう。

 大きく華やかな作りから、和紙の素材を生かした素朴なものまで、場所に合わせてチョイスすることもできるためいくつかの種類を親子でシェアするのもいいかもしれませんね。

 

着物に合う髪飾りの選び方3選

 「自分の持っている着物にどんな髪飾りが合うか分からない」「いつも同じ組み合わせのものしか使えない」といったように着物と一緒に購入した髪飾りを毎回つけている方も多いのではないでしょうか。

 髪飾りを選ぶポイントを雰囲気、色、大きさごとにそれぞれ3つずつコツをお知らせします。

1.雰囲気・トーンを決める

 まずは、分かりやすく、着物の柄に合わせて決めます。例えば着物や帯または、帯どめに使われている花などの柄に合わせた髪飾りにすると全体的にまとまった印象になりますよね。

 次にあげるのは、着物の雰囲気に合わせて決める方法です。古典柄のシンプルな着物であれば、髪飾りもさりげない小ぶりのものでまとめたり、モダンで大柄な柄の着物であれば少し大きめの髪飾りにしたりすると全体がまとまって見えるのではないでしょうか。

 最後は、全体のトーンを合わせて決めます。トーンとは色調のことを指し、同じ色でも色の明るさや派手さで与える印象が違ってきますよね。例えば着物が優しいピンクなら、髪飾りはピンクだけでなくトーンの同じ黄色やオレンジなどを使って色合いまとめてみましょう。落ち着いた渋い緑の着物なら、同じトーンの濃いブラウンや濃い青などの色合いにまとめてみるといった形で、トーンを決めて髪飾りを選びます。髪飾りを着物と同じ色にせず、少し変わったものを選びたい場合はこんな方法で決めてみてはいかがでしょう。

 

2.色を決める

 まずは、着物のメイン色と色を合わせる方法です。着物が赤ならば、赤い色味の髪飾りをつけるという方法ですね。これならば全体の雰囲気を壊さずまとまった印象を与えることができますよ。

 次に、帯や帯締め、帯揚げと合わせる方法です。柄や色を合わせることで、全体で見た時にバランスが崩れにくくなります。「着物と色を合わせるだけでは面白みがないな」「他の着物にも使いたい」と思われた場合はこの方法がおすすめです。

 最後は、着物の色と反対色を合わせる方法です。ポイントとして髪飾りをつける方法になります。この場合は色が違っているため、髪飾りの柄を着物や帯の柄と合わせると統一感が生まれますよ。組み合わせる色によって全体の雰囲気も変わるためいろいろ試してみてはいかがでしょうか。

 

3.大きさを決める

 はじめに、髪型によって髪飾りの大きさを決める方法です。コンパクトにまとめたシンプルな髪型に大きな髪飾りをつければ一気に華やかになりますし、長い髪を編んで横に流した形であれば小さな髪飾りをいくつか散らすとかわいくまとまります。ショートカットでもクリップ型のものなどいくらでも対応できますよ。

 次に、見せたい自分の演出によって髪飾りの大きさを決める方法です。華やかにインパクトのある印象を与えたい場合は大きなものを、シンプルな印象を与えたい場合は小ぶりなものを選ぶと効果的です。

 最後は、使う場所によって髪飾りを選ぶ方法です。例えば結婚式に呼ばれていく場合、あまり大きく目立つ髪飾りは避けた方が無難でしょう。主役は花嫁であるため、しっかり吟味した方がいいですね。逆に、成人式などでは少し大きめのものを使うのも素敵です。

 

着物の使用シーン別髪飾り

 人生の節目のイベントに素敵な彩りをあたえる商品や、普段の装いのワンポイントになる商品をそれぞれご紹介します。着物を着るシーンに合わせた装いや、その場に合わせた髪飾りを選ぶのは少し難しいとお考えの方はぜひ参考になさってください。

花嫁の和装着物に

 結婚式にふさわしい夫婦円満、子孫繁栄、長寿の象徴の「鶴」をモチーフにしたつまみ細工の髪飾りです。

 正絹の二重を使用した商品のため、美しい光沢が魅力になっています。シンプルで優美な鶴のつまみ細工が花嫁の姿を一層引き立てるでしょう。

 白無垢ではもちろんのこと、他の飾りと一緒に使用できるほどよい大きさのため、色打掛では他の飾りとともに使い華やかさを演出することもできますよ。剣つまみでできたシャープな鶴の羽が、より高貴な印象を与える一品です。

 夫婦の末永いお幸せを願い、尾羽が丸いこちらの商品「鶴の髪飾り*雌鶴」と別途掲載の尾羽のとがった「鶴の髪飾り*雄鶴」を合わせて、夫婦鶴として一緒にお使いいただくことも可能ですよ。

「つまみ細工〈鶴の髪飾り*雌鶴〉」、詳細はこちら

 

成人式の振袖着物に

 成人の晴れの日を素敵に演出するつまみ細工の髪飾りです。

 上質な国内製造の一越ちりめんを使用しているため、表面のおうとつが非常に細かく上品にできています。色にもこだわり、同じ色でもトーンの違うものを吟味して作っているため、仕上がりがひときわ華やかです。つまみ細工だけでなく、土台の隠れてしまう部分にまで細心の注意を払うことで、仕上がりが一段と美しく、細部までこだわりぬいた一品になっています。

 飾り一つひとつが独立してUピンやIピンで仕上げてあるため、あらゆるヘアスタイルに対応が可能です。剣つまみで作った赤に金のポイントの入った大きめの花と、色とりどりの丸つまみの小花で、まとまりある華やかなセットになっています。

「つまみ細工髪飾り【晴】× 深紅」、詳細はこちら

 

正装や街着着物に

 縁起の良い梅結びを使った水引の髪飾りです。

 色違いの梅結びが二つ並び、色も落ち着いているため、大人をイメージさせるかんざしになっています。かんざしの土台は、べっ甲風になっていて、高級感もありシンプルなため、浴衣から普段の街着まで幅広く使えて便利です。短いビラにハートのモチーフが使われているため、小さく揺れるハートがとてもかわいらしく、大人のかわいさを引き出してくれますよ。

 さらに、小ぶりで小粋なかんざしなため、洋装にも合わせることも可能です。シーンや場所を選ばないため、プレゼントとしても喜ばれる一品です。

「水引で作った、簪:金銀の梅[ギフトラッピングあり]」、詳細はこちら

 

着物のデザイン別髪飾り

 定番の柄の着物だけでなく、はやりのレトロな柄の着物から洋風の着物までそれぞれに合った髪飾りをご提案します。いつも同じ組み合わせから一歩踏み出し、新たな魅力を引き出しましょう。

レトロな着物に

 インパクトのある色づかいの水引の髪飾りとピアスのセットです。

 紫をベースに使い、金と赤の椿が目を引きます。大ぶりのくしはレトロな趣を感じる作品です。ピアスもそれだけで存在感がありますが、セットでつけると一段とまとまりのある装いになりますよ。ベースの紫は高貴でミステリアスな雰囲気を漂わせ、赤と金が華やかさと慶事を連想させます。

 椿の水引は梅結びを変形させたもので、平梅結びとも言います。椿は平安時代には「聖なる花」「高貴な花」として扱われてとても縁起のいい花です。さらに「厄除け」にもつかわれ、永遠の美などの意味も込められている素敵な模様です。椿は春先に花を咲かせるため卒業式などでも活用できます。レトロな雰囲気は袴との相性ピッタリですね。

「レトロ椿簪セット【ピアスフック】」、詳細はこちら

 

さまざまな柄の着物に

 伝統工芸品である美濃和紙を使ったヘアフックです。

 深みのある紺色に、金をあしらった上品な柄の和紙をレジンで閉じ込めた、美しい一品です。落ち着いた雰囲気の正方形を二つ並べ、隣に金の透かしプレートと金のリングが重なるデザインは、大人っぽさとかわいらしさを兼ね備えています。着物の柄を限定せず使えるため、一つ持っておくととても便利なヘアフックです。

 美濃和紙は岐阜県の伝統工芸品であると同時に、その製法は重要無形文化財にも指定される素晴らしい和紙です。和紙で作っているため、軽くて長時間の仕様にも対応できます。ヘアフックはつけ方も簡単で、髪を結び、その結び目に差し込むだけで完了です。さらに、シンプルな仕様のため和装だけでなく洋装に使ってもおしゃれですよ。

「美濃和紙のスクエアヘアフック」、詳細はこちら

 

かわいらしい洋風の着物に

 美濃和紙をレジンでコーティングしたヘアクリップです。

 明るい柄の和紙と無地の和紙を一列に組み合わせ、軽やかでかわいらしいデザインになっています。岐阜県で製造される美濃和紙は伝統工芸品で、その薄く漉く技術は重要無形文化財に指定されるほどです。

 柄は黄色地に紅白の梅で、無地の和紙は淡いピンク色と全体的にかわいらしい雰囲気があります。両サイドの金の飾りがより華やかに見せてくれるでしょう。

 柄が小さいくポップな印象のため、明るい洋風の着物にも使える一品です。クリップの長さが大きめにはなりますが、和紙が軽いため長時間の使用も苦になりません。

「美濃和紙ヘアクリップ」、詳細はこちら

 

着物に合った髪飾りで素敵な日々に

 今回は着物に合った髪飾りの選び方について紹介してきましたが、いかがでしたか。

 着物に合った髪飾りを選ぶ方法は、大きく分けて「雰囲気・トーンを決める」「色を決める」「大きさを決める」の三つです。さらに、着物を着る場所やシーンで使う髪飾りを使い分けると、着物を着慣れた雰囲気を醸し出すことができるでしょう。

 成人式や結婚式など晴れやかな一大イベントから、毎年の初詣やちょっとしたお出かけまで、着物を着る機会には着物に合った髪飾りがあるとぐっと素敵になります。同じ着物でも、イベントや場所に合わせて髪飾りで雰囲気を変えることも可能です。

 いつもの組み合わせから一歩踏み出して、新しい髪飾りを選んでみてはいかがでしょう。

すべての髪飾り商品を見る